「あなたの犬吠驢鳴をお聞かせください」
~対話型アートプロジェクト~
「あなたの驢鳴犬吠をお聞かせください」と呼びかけ、応えてくれた人々と対話をするパフォーマンス作品。(驢鳴犬吠とは、ろばや犬の鳴き声という意味からくる、くだらない文章や、聞くだけ無駄な話といった意味の言葉です。)対話の際に、青く着色するガムで口内を青く染める小さな儀式(注1)を取り入れました。
(注1・睡眠薬の成分として義務付けられている青い着色料は、睡眠導入の効力はなく、悪用防止のための視覚的作用のためという話に触発された行為です)
同時に、対話で採集した単語をAIによる画像生成のプロンプトとし、それを元に、「驢鳴犬吠トリビュート」と題した映像作品を毎日制作し
上映しました。名も知らぬ隣人たちの「犬吠驢鳴」なエピソードは、図らずも、現在の日本の厳しい現状のルポルタージュであるとともに、今を生きるエネルギーに満ちた、力強い物語でもありました。
ここで採集したエピソードに呼応して、最終日に、全ての対話者に敬意を表したく、声明文を発表しました。
「手の中の怪物」
被写体は、一般的な台所によくある物。
女性に強いられる家事業の搾取性をテーマにした、
キッチンツールを接写したシリーズです。
2023セルラティスト展『PACIFIC COLORS』出品作
「100年前、あの日の景色を作る」
AI生成画像、証言集からの抜粋文、ビーズ、針、糸など
2023 AIGO展 あざみ野市民ギャラリー
関東大震災当時のイメージをAIで画像生成し、その上に、赤いビーズを撒き、針と糸で観客が縫い付けていくことで、ある人が目撃したという風景の再現を試みました。
AI 生成という言葉の指示によるイメージの作成は、証言を元に過去を想像する事、記憶を思い起こす事に似ている。
100年前に生きたある人の、その悲しい記憶の景色が失われないように、言葉と、針と、糸で、景色=記憶の継承を行いました。
My tragedy~手の上の悲劇~
2022/10/21~10/25 Center line art festival Tokyo 中央線芸術祭 2022
「孤独な散歩者たちの庭」(企画:越智波留香・金暎淑) 東京 高架下空き倉庫
キッチンツールを撮影した画像を元に、アナログな手法でイメージを歪曲し、拡大し、作り上げたイメージたち。
これらは、母という立場から家事労働の責任を担う私の心象風景です。
誰かにとってはありふれた些細な事柄が、誰かにとっては壮大な悲劇のように感じられる事象は、ジェンダー問題の領域を超えて、様々な場面に潜んでいるのではないでしょうか。
なんとかディスタンス~その、答えのない距離感について~
2021/10/20~10/24 中央線芸術祭「スペースシェアリングプログラム ともにある場所」 東京 KOGANEI ART SPOT シャトー2F
コロナ禍の今、ソーシャルディスタンスやフィジカルディスタンスなど、人と一定間の距離を置くことが社会的ルールとされる中、家族間の距離は、より密になっていく側面があります。夫婦、恋人、親子、友人など、近しい人との距離について、本当に心地いい、最適な距離って、いったいどのくらいだろう・・・
そんな答えのない距離感を、曖昧な感覚をそのままに、「なんとかディスタンンス」と名付けました。
不機嫌な私とフキゲンなワタシ
2021/6/29~7/11 「創造力との出逢い」展 京都 同時代ギャラリー
仮説の神殿 Hypothetical faith
Installation
素材:マスキングテープ、戦闘機模型、双眼鏡
皆がそちらを向き、崇めている。神聖な場所だという人もいるが、よくわからない。
注意深く、よく見なければならない。 私にはずいぶん脆くてあぶなっかしいものに見えるのだけど。~2017年6月~
2017/8/10~8/23 「世紀を超えて」展 韓国 慶南道立美術館
唯一無二のディテールを持った、ただのペン跡 For some reasons to give rise to detail
Installation
素材:布、インク
この形は、戦時中に作られた千人針から着想を得たものだ。
この作品に着手した当時、これまで日本のコミュニティで政治的な発言をする人は少なかった時代から、次第にsns等で、各々の政治的思考についての発言が増え始めた頃だった。様々な意見の中、直接的な友人の言葉の中には、排他的な、特定の民族に対する嫌悪が感じられる言葉も見え始め、息苦しかった。
そんな気持ちを落ち着けたいという、願いのような作業だったかもしれない。
ただ、出来上がったものを見た時に感じたのは、意外な印象だった。
はみ出さず、ムラなく、整然と並んだものは・・・つまらなかった。
不揃いなものが並んでいる方が、美しかったのだ。
2015/8/25 ~11/1 「ディアスポラの船」 安東文化芸術センター 韓国 安東
Tracing Happiness ~繰り返しトレースされるハッピーエンドの輪郭~ Happy ending contour repeatedly drawn
Installation
素材:紙、鉛筆、プリント
2011/6 /7~6/12 個展 同時代ギャラリー 京都
物語は、人生の原型。
人は絵画を通して、生きることから派生する様々な問題について、それぞれの時代、それぞれの場所で、繰り返し表現し続けてきました。
神話、童話、宗教的絵画、アニメなどの視覚イメージを、内在する問題意識の視点から同列にカテゴライズし配列、トレースすることで、アレゴリーによって構成された人間の普遍的問題を抽出する事に取組みました。
その表出の多様性は、リアリティの変化からなるディテールの変化でしかないこと、根源的な問題は、どの時代も変わらず存在し続けていることを浮き彫りにする事で、過去の物語たちは、今を生きる私たちに、より身近に語りかけてくるのではないでしょうか。
毎日死んでいく私のためのお葬式 A funeral for me that dies everyday
Installation
素材:写真と音声
100日間にわたって毎日自らの葬儀を行い遺影を撮影し続けた。
毎日死に、毎日生まれ変わることで、本当の死へ一歩ずつ進んでいく。
それが生だと実感しながら。
2009/1/10~3/1 福島県立美術館(福島市) FUKUSHIMA PREFECTURAL MUSEUM OF ART
Rice
Installation
素材:米、ルーペ
2009/7/~9/26「アリランの種ーコリアンディアスポラ作家展ー」韓国 国立現代美術館 韓国 ソウル
keep~躊躇する種~
Installation
素材:木、模型、砂、映像16分
2009/7/5~8/2 solo exhibition party IWAKI
染まりゆく大地
Installation
素材:砂、布、インク
2013 8/15 ~9/8 Group exhibition <Zainichi 3.0> ROTTE GALLERY GWANJYU(KOREA,GWANJYU)
GIFT
Installation
2009 Group exhibition <SUPER ART PARTY > at PARTY
私の頭の中の無限のようで有限な選択肢
The choices which seem to be infinity in my mind, and are limited
Installation
2007 Group exhibition
無数のスイッチがあるリモコンの群れは、日々決断を強いられる意識の中の選択肢の比喩である。
黒く塗られたリモコンのボタンには、ほんのいくつかの指示しか書かれていない。
意識の一部を視覚化することで、無数ではあるが有限である事を認識し、未だスイッチと認識されていない部分に、新たな可能性を見出せはしないだろうか。